フルリノベーションをしようと決めて打合せを進めていくと、
システムキッチンはどれにする? トイレはどれ? お風呂はどこのメーカー? 床の材質は何にする? ドアは何色? 壁紙は?
・・・とにかく決めることがたくさんあります。
当然のことながらリフォーム業者は、工事をスムーズに始めるために必要な情報から決めていこうとします。
決めた工期を守るためにはシステムキッチンの在庫を抑えなきゃいけないし、床材をサイズに合わせて切り出す発注もしなきゃいけないからです。
でもちょっと待ってください。
あなたが実現したい家のイメージ、まだぼんやりしてませんか?
断言します。
そのまま進めるとヤバイです!
自分がやりたいテイストを決めないまま個々の内容を決めてしまうのは後で絶対後悔します(マジで。)。
私が一番後悔したのは 照明 です。
照明って意外に部屋の雰囲気を大きく左右するアイテムです。
間接照明を一つ置くだけでもガラッと印象が変わる。
それは作り付けの天井照明だって同じことで、どういう種類にするか、どこに付けるかによって表情が全然違います。
理想の部屋にするための照明器具は、インテリアのテイストを決めておかないと選べません。
リフォーム完成後に家具を買い揃える段階でやっと「こういう感じの部屋にしたい」を思いついてしまって、そのイメージに振り切れず中途半端な部屋になってしまって後悔をした私が、リフォーム打合せ時までに知っておいた方がいいことをお伝えします!
・インテリアのテイストってどんなものがある?
・決めておくべき照明の種類と取付位置
インテリアのテイストには色々な種類があることを知っておこう
真っ先に決めるべきなのがインテリアのテイストです。
そんなの当たり前でしょ、と思いますよね?
「木のぬくもりがある家にしたいなぁ」
「全体的に明るい感じがいいなぁ」
「黒と白で統一感のある部屋にしたいなぁ」
私だってこのくらいのイメージは持って打合せに臨んでいました。
でも、完成した今だから思います。
どんなインテリアにしたいのか、もっと具体的にイメージしておけば良かった!と…。
「木のぬくもりがある部屋」というイメージをしているだけでは、床、ドア、壁、棚などにどのような色の木を使うのがいいのか分からないはずです。
「とりあえず色さえ統一しておけば大丈夫でしょ」と思って進めた後に、もっと素敵なアイディアを見つけてしまったら…?
後からの思い付きで変えられることもありますが、先にイメージしておいた方がよりあなた好みの家に近づくはずです!
インテリアのテイストは細分化されすぎていてあげればキリがないですが、
今回は「これだけ知っていれば迷わない!」8つを厳選して紹介します!
シンプルナチュラル
すっきりとしたシンプルなデザインに、
木のぬくもりを併せ持ったインテリア。
高級感よりは親しみやすさを感じさせる、
優しい雰囲気の部屋になります。
シンプルなものを選んでいくだけで統一感のある部屋になり、突飛なことをせずともスタイリッシュなイメージを作ることが出来ます。
極端な話、家具と雑貨を全て無印良品で買い揃えれば完成する分かりやすいインテリア。
オシャレに作り込める自信がないなぁという方には取っつきやすく再現性の高いテイストだと思います。
モダン
無機質で都会的、
シンプルでスタイリッシュ、
クールで高級感のあるインテリア。
シンプルな機能美を追求した、
まるでホテルのロビーのような雰囲気になります。
直線美が感じられるフォルムや無駄のないスッキリとした家具などで統一感を出しながら、所々に観葉植物などでアクセントを付けるとさらに高級感が増します。
家具などはちょっとお高いものを揃えないとこのイメージにはならないかも…。
北欧
収納や機能を置いてきぼりにしない、
デザインと便利を両立できるインテリア。
シンプルと温かさをあわせもち、
居心地が良く人間らしさのある空間になります。
ポップなデザインのアイテムを取り入れても様になるので、コーディネートの自由度が高いです。
「IKEAの家具でコーディネートしてみた」的な動画や記事も多数あるので、お手本がたくさんあるのもいいですね。
和モダン
都会的な「モダン」と、
日本の心を取り入れた「和」のデザインを
ミックスしたインテリア。
格調高い洗練されたおしゃれさもありながら、
どこかほっとする落ち着きも併せ持った空間になります。
モダンと和の比率によって表情が大きく変わります。
マンションは洋式に作られている場合が多いのでモダン率高めがマッチしやすいと思います。
アジアンテイスト
バリ、タイ、ベトナムなど
東南アジアの雰囲気を取り入れたインテリア。
自然素材に囲まれた南国リゾート感満載の、
非日常を味わえる空間になります。
ほんのりまわりを灯すような間接照明やヤシ系の観葉植物でさらに雰囲気アップ!
アジアン雑貨は安価で入手できるものも多いので、買い替えのハードルが下がります。
気分や季節で新しいものを取り入れるなど、常にインテリアを更新していく楽しみ方もできますね。
インダストリアル
「インダストリアル=工業系」という名の通り、
海外の古い工場のようなインテリア。
ゴツゴツとした無骨な印象で
「男前インテリア」とも言われています。
壁や天井を躯体現し(コンクリート打ちっ放しのような雰囲気)にすることでインダストリアル感アップ!
使いこまれた木の板一つ飾るだけでも雰囲気が出るので、DIYでインテリアを育てるには向いているテイストです。
ブルックリン
使っていない倉庫や工場に移り住んだアーティスト達が生み出した独特な個性を持つインテリア。
ハードな素材とデザイン性の高いアイテムを掛け合わせることで、カフェのような雰囲気を作り出せます。
濃い色多めの素材を使うので部全体が暗い印象になりがちです。窓を大きくするなどして空間の余白を作るといいでしょう。
蔵前が「東京のブルックリン」と言われてるね
お店巡りをしてインテリアの参考にしよう
フレンチカントリー
上品でナチュラルながらも、田舎の温もりや
素朴な雰囲気を併せ持ったインテリア。
ロマンティックでガーリーなものから
ワイルド感のあるものまで
幅広いパターンがあります。
木の腰壁や白い窓枠を作りつけることで一気に雰囲気が出ます。リノベーションでこそ実現できるイメージですね。
後決めにしちゃうと後悔する「照明」
リノベーションで決めるべき大きなことは「ある程度の普通」を選んでおけばいいでしょう、
とタカをくくり、具体的なテイストを決めきらないまま進めてしまった我が家。
新しくなった部屋に何を置くか、どんなものを買うかという具体的なモノの選定をしている時に、ようやく自分がやりたいテイストが見つかりました。
「よし!インダストリアルテイストにしよう!」
しかし、時すでに遅し…。
もう工事期間中で大きな変更は出来ないタイミングでした。
無難な床色にしたし壁紙も当たり障りのないものにしたので、思惑通り大失敗はしていません。しかしインダストリアルに特化したようにも見えない中途半端なインテリアになってしまいました。
あなたがやりたいインテリアは家具や装飾品など後から足せるもので7割までは実現できると思います。
せっかくリノベーションするなら残り3割もたっぷり使って、満足のいくものにしたいですよね?
そのためにはまず「照明」を決めましょう!
構造の段階からどのような照明にするのか決めておけばもっと簡単に理想のインテリアに近づくはずです!
天井照明の種類
照明一つとっても「リノベーションをするタイミングだからこそ出来る」ものがあります。
逆に言えば、適当に決めてしまうと改めて工事が必要になってしまうということ。
リノベーション業者との打合せには、これから紹介する4つの種類からどれにするか決めてから臨みましょう。
それぞれの特徴を知っておけば、理想のインテリアに合った種類を選べるはずです。
シーリングライト
部屋全体を明るく均一に照らしてくれます。
超一般的でよく見るやつです。
汎用性が高いので迷ったらこれにしておけば
間違いないですが、
雰囲気のあるこだわった部屋作にはなりづらいです。
これぞ天井照明ともいえるシーリングライトさえ付けておけば、後からオシャレなランプシェードに交換するだけでも部屋のイメージアップは可能です。
まだ具体的なイメージが決められない!めちゃくちゃこだわりがあるわけではない!という方はシーリングライトにすることをおススメします!
ダクトレール
レール内部に電流が通っており、レール上であれば好きな位置に複数台の照明を配置できます。
直線型、L字型、ロの字型など様々な形状があるので、部屋の形にあったタイプを選びましょう。
インダストリアルテイストにしたいと後から思った時に、ダクトレール付けておけば良かったー!と後悔しました。
とはいえ、あの数回のリノベーション打ちの時点でどこにどう付けるかまでイメージ出来たかと言えば・・・そこまで具体的に決めきる勇気は出なかったと思います。
あとからゆっくり考える派のために、
天井の引掛けシーリングさえあれば後付けで取り付けられる簡易ダクトレールもあります。
「工事不要ダクトレール」と書かれたもの購入すれば誰でも簡単に取り付けることが可能です。
ただ、せっかくリノベーションするなら直付ダクトレールで好きなところにスマートに取り付けたいですね!
ダウンライト
天井に埋め込むタイプの小型照明で、
複数設置することで明るさを保ちます。
照明器具自体は目立たせず他のインテリアで
個性を出したい場合は、
ダウンライトにするのがオススメです。
ブラケットライト
壁面や柱に取り付ける照明器具のことで、
天井照明の補助として使われることが多いです。
殺風景になりがちな場所にアクセントをつけられる優れもの。
ダクトレール同様、ブラケットライトも工事不要で後付けできる商品もあります。
ただ、後付けはコンセントから電源を取ることになるので、ケーブルが壁を這うことになるんですよね…。ちょっと見た目がイマイチ…。
最初から決めておけばすっきりスマートな壁照明が実現できます。
玄関と寝室はブラケットライト仕様にしておけばよかったなと後悔…
照明を取り付ける位置
これはぶっちゃけ全体像がはっきりと見えていないと決められません。
図面の段階から決められるのは、「この部屋と同じにしてください!」というくらい憧れのイメージが決まっている人か、突き抜けた独自路線を持ったアーティストくらいじゃないでしょうか。
だからこそたくさん施工例を見てパーツだけでも情報を持ち、ある程度の汎用性も持たせておくことが大事だと思います。
ここでは私が後から「ここはこうしておけばよかったなぁ」と思ったポイントをご紹介します。
人の振り見て我が振り直せって言いますからね。
キッチンカウンターの上
キッチンは刃物を扱う場所ですし、明るさ第一優先でシーリングライトかダウンライトがいいとは思います。
我が家もキッチンはダウンライトにしました。
これはこれで全然いいんですが、インダストリアルテイストにしようと思った時に全然雰囲気が出せません。(アジアン、和モダン、ブルックリンなどでもダウンライトだけでは雰囲気出ないと思います。)
寝室の壁
寝室ってバーンと明るくなくてもいい場所ですよね。
極端に言えば明るさという意味では間接照明だけでも充分です。
そこで考えて頂きたいのが「本当に天井に照明が必要か?」ということ。
我が家は何の疑問も持たないままシーリングライトにしてしまいました。
もちろんこれでダメという訳ではありませんが、寝室が狭いことも相まって「ただの箱」のような部屋になってしまいました。
インダストリアルテイストにとことん近づけるなら、リビングの照明もダクトレールにしておけばよかったかなぁとは思います。
かと言って、インダストリアルを極められるかというとそこまでの自信はない…。
アンティーク家具を揃えて・・・⇒高い!
革張りのソファを置いて・・・⇒座り心地悪い!
ドライフラワーを飾って・・・⇒生花派!
という感じで、オシャレと住みやすさと現実の全てをいいとこどりしたいのが私です。
10年後にインダストリアル嫌だー!ってなってるかもしれません。
汎用性をキープしながら要所で取り入れていく。
なるべくやりたいテイストに近づける意識を持ってモノを買う。
それだけでもだいぶ「それっぽく」はなりますよ。
まとめ
せっかくリノベーションするなら自分のイメージに合った、そして実用的にも痒い所に手が届く家にしたいですよね。
そのためには「おしゃれにしたい!」「統一感のある家にしたい!」というざっくりしたイメージを持っているだけでは作れません。
まず決めるべきは具体的なインテリアのテイストです。
次に決めておいて欲しいのが、インテリアの方針を大きく左右する「照明」です。
どこにどのような照明をつけたいか?
それはリノベーション後でも出来るものか?
もし工事が伴うものならばリノベーションと合わせてやった方が仕上がりもスマートだし、断然手間がかかりません。
インテリアのテイストは自分が決めることであってリノベーション会社が「テイスト決まりましたか?」なんて聞いてくることはありません。
彼らの優先順位で誘導されるままに物事を決めていけば、標準的で実用的な家は実現できます。
でもそれが本当にあなたの理想や希望に合ったものか、いま一度立ち止まって考えてみてください。
焦ることはありませんよ。
あなたのリノベーションが一点の後悔もありませんように…最後までお読みいただきありがとうございました。
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